影色ベースの塗り方
カテゴリー: イラストテクニック
キャラを塗るにあたって影色をベースにし、 明るい部分を描き込む塗り方を紹介。
はじめに
デジタルでキャラクターを塗るにあたってはさまざまな方法がありますが、
今回紹介するのは影をベースに明るい部分を描き込む手法です。
人間は目で光そのものや物体に反射した光を捉え、
それを感覚や情報として処理することで物体を認識します。
つまり基本的に真っ暗な状態(影が優勢な状態)に光があって初めて、
明るい部分、暗い部分の差異からどのような色や形であるかがわかるのです。
この考えをもとに、デジタルで描くにあたって明るいベースカラーに影を乗せるのではなく、
もともとの影色に明るい場所を乗せる感覚で描く手法を今回は紹介していきましょう。
実践サンプルおよび解説
制作にあたってはクリップスタジオペイントを使用しています。
上記サンプルでは明るい部分がほぼ単色なのに対し、
肌や髪ではベースとなる影色が単色でないのがわかるでしょうか。
『影色に明るい場所を乗せる』方法をそのまま以下のようにレイヤー構造に反映した結果です。
明るい部分や、影の色の混色はそれぞれ別レイヤーになっています。
この構造の利点は見た通り、影色の調整がしやすい点にあります。
明暗のくっきりしたものほど影色自体の色合いや反射光の入れ方が重要になります。
また明るい色をベースに、影を描き入れると
それぞれの影ごとに調色や調整、細かな描き込みが必要になりますが
この手法なら細部の描き込みが必要になるのは
後乗せの明るい部分でほぼ済むため非常に楽で時短になります。
最後に
厳密には、さらに暗い場所を上のレイヤーから乗せたり、
明るい部分にも調整を必要とする場合や、
更に全体を色調補正などで調整することもあるでしょう。
あくまで紹介したものもいち手法でしかないを念頭に、
描きたいモチーフに合わせて手法やレイヤー構造の工夫で
より描きやすかったり、時短になる、ということが大事です。